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アイリスオーヤマ“テレビ事業”本格参入。ネット接続不要で音声操作できる4Kテレビ

アイリスオーヤマ“テレビ事業”本格参入。ネット接続不要で音声操作できる4Kテレビ

  • 阿部邦弘

2019年11月13日 15:42

アイリスオーヤマは13日、テレビ事業への本格参入を発表。ネット接続することなく音声操作できる4K対応テレビ「LUCA」を11月20日より順次発売する。43/49/55型のフロントスピーカータイプと、43/49/55/65型の狭ベゼルタイプ、計2シリーズ7機種を用意。価格はいずれもオープンプライス。フロントスピーカーモデルは43型で104,800円前後、狭ベゼルモデルは43型で99,800円前後。家電量販店、ホームセンターを中心に販売し、初年度5万台の出荷を目指す。

狭ベゼルモデルの65型4K対応テレビ「LT-65B628VC」

同社は「2022年グループ売上高1兆円」を中期経営計画に掲げ、家電事業を最重要事業として位置付けている。店頭予想価格と発売日は以下の通り。なおフロントスピーカーモデルと、狭ベゼルモデルの主な違いは、スピーカーの設置位置と外観デザインで、基本的な機能は変わらない。

【フロントスピーカーモデル 11月20日発売】

  • 55型 55UB28VC 134,800円前後
  • 49型 49UB28VC 124,800円前後
  • 43型 43UB28VC 104,800円前後

【ベゼルレスモデル 12月5日発売】

  • 65型 LT-65B628VC 188,000円前後
  • 55型 LT-55B628VC 128,000円前後
  • 49型 LT-49B628VC 118,000円前後
  • 43型 LT-43B628VC 99,800円前後

フロントスピーカーモデルの55型4K対応テレビ「55UB28VC」と、49型「49UB28VC」

いずれのモデルも、3,840×2,160ドットの4K液晶パネルを搭載。チューナーは地上/BS/110度CSデジタル×2で、別売のUSB HDDを追加してテレビ番組録画にも対応。USB端子を2系統用意し、2台同時接続も行なえる。BS4Kチューナーは搭載しない。

新モデルの最大の特徴は、ネット接続やスマートフォンなどが不要な、独立の“音声操作リモコン”が付属すること。高性能の音声認識回路とマイクを内蔵しており、聞き取った指示内容を赤外線コードに変換した信号としてテレビに送ることで、操作可能としている。

付属の音声操作リモコン

音声操作モードを起動するウェイクアップワードは「ねえ、 るか」、または「るか、 てれび」。予め設定された全27種類の操作ワードを音声操作リモコンに向かって発話するだけで、電源のオン・オフやチャンネル変更、音量の調整などの操作が可能。音声操作モード中(発話認識後約6秒間)は連続操作も行なえる。

音声操作リモコン上部には、発話を拾うマイクを内蔵。筐体周囲を赤外光発信器で囲むことで「“360度半球”の範囲に送信できるようにした」(説明員)という。

リモコンに向かって「音量アップ」と発話。音声を認識するとリモコンが青く反応

テレビの音量が上がる

27種類の操作ワード

「買い物帰りや乳幼児連れで両手が塞がっているとき、リモコンが見当たらないときといった様々な利用環境に対応できる」とし、加えてスマートスピーカーなどと比較して、音声認識から操作までの応答が速く、手軽に操作できるという。

音声リモコンの電源アダプターで動作。外形寸法は68×29×85mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約60g。付属のケーブル長は2m。

音声操作リモコンは電源ケーブルで動作。付属のブラケットを使い、リモコンを壁掛け設置できる。両面テープでの取付けにも対応する

“色鮮やか、目に優しい”をコンセプトとしたLUCAシリーズの画作りを継承。独自のチューニングを施しており、「自然の色彩と美しさを引き出すとともに、過度な鮮やかさを抑えることで、自然な美しさが目にも優しい映像を表現する」としている。対応するHDR規格はHDR10で、HLGはサポートしない。

フロントスピーカーモデルの55型のみVAパネルで、その他のモデルは広視野角のIPSパネル。パネルコントラスト/応答速度は、フロントスピーカーモデルの55型が4,500:1/6.5ms、49型と43型が1,300:1/9ms。狭ベゼルモデルの65型と55型が1,300:1/9ms、49型と43型が1,100:1/9ms。

内蔵スピーカーは10W×2ch。HDMI入力は最大4K/60p信号をサポートし、65型のみ4系統で、その他のモデルは3系統。AV入力は65型がRCAタイプで、その他は3.5mm4極ミニジャックタイプとなる。出力端子は全モデル共通で、光デジタル端子×1、3.5mmステレオミニジャック×1。ほかにも、LAN端子とUSBポート(2系統)を備える。

消費電力はフロントスピーカーモデルの55型が150W、49型が125W、43型が85W。狭ベゼルタイプの65型が200W、55型が120W、49型が105W、43型が80W。

外形寸法/重量は、フロントスピーカーモデルの55型が1,232×268×804mm(幅×奥行き×高さ)/14.4kg、49型が1,092×268×727mm(同)/11.3kg、43型が970×211×632mm(同)/7.7kg。

狭ベゼルタイプの65型が1,445.8×303.7×898mm(同)/17.8kg、55型が1,226.7×238.5×751.3mm(同)/11.2kg、49型が1090.7×204.7×675.5mm(同)/8.6kg、43型が958.2×204.7×598.7mm(同)/6.9kg。

付属の標準リモコン

黒物家電での市場創造はまだ可能。来春には4Kチューナー内蔵。目標はシェア10%

発表会には、アイリスオーヤマの家電事業部統括事業部長を務める石垣達也氏が登壇し、家電事業の進捗状況を説明。2010年の段階では100億円だった家電事業が、’18年実績で810億円にまで伸張。「19年計画において、家電売上は1,100億円を計画しており、アイリスオーヤマの売上金額比で58%に達する見込み。我々は今後も総合家電メーカーとして、大型家電の強化を掲げており、今回のテレビ事業への本格参入はその一環」とコメント。

現行の4K対応テレビの販売状況に関しては「’18年からテスト販売を行なってきた4K対応テレビだが、有り難いことに1年間で10万台を出荷。今回の本格参入における大きな自信に繋がった。来春には、BS4Kチューナーを内蔵した“4Kテレビ”を検討しており、ラインナップの更なる拡充を図る。なるべく早い段階で数量シェア10%を目指す」と意気込みを語った。

海外メーカーの参入や収斂する家電市場への展望を問われると「家電は技術戦争に走ってしまった面があるが、ユーザーの声に耳を傾けるとまだまだ“困りごと”は多い。この点を解決した我々独自の製品を投入することで、家電の市場創造はまだ可能と見ている。今回の音声操作システムに関しても、ユーザーの反響や利用状況を見ながら、更なる進化や他の家電製品との連携など、様々な活用を考えている」と述べた。

家電事業部統括事業部長の石垣達也氏

同社テレビ事業部長の武藤和浩氏は今回の製品について「新しい4K対応テレビは、ネット不要で音声操作できる“業界初”の4K対応テレビだ。こだわったのは“独立”した音声操作リモコン。ネット接続や専用アプリなど、煩雑な操作・設定を用いることなく、設置した直後からハンズフリーで操作できる。」と新モデルの特徴を改めて説明。

テレビ事業部長の武藤和浩氏

音声操作リモコンの開発に携わったというドスやテレビ事業部開発マネージャーの鴫原秀郎氏は、「27種類のシンプルな操作ワードと、ニューラルネットワークとディープラーニングを組み合わせることで“正確な音声認識システム”を構築。あいまいな発話による誤動作が発生しないよう、認識範囲をあえて制限することで、正確な動作にこだわった。」と話した。

テレビ事業部開発マネージャーの鴫原秀郎氏

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