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5Gサービス競争幕開け ソフトバンク月内に

日本経済新聞

5Gサービス競争幕開け ソフトバンク月内に

ネット・IT2020/3/5 22:04 保存 共有 印刷その他

次世代通信規格「5G」を巡るサービス競争が日本でいよいよ始まる。ソフトバンクは5日、消費者向けサービスを27日に始めると発表。スポーツ観戦など娯楽に加え、教育、医療分野でサービスを拡充する。ただし、当初の展開は電波を使える範囲の狭さもあり、7都府県の一部に限られる。消費者があまねくサービスを受けられる時期は2021年以降になりそうだ。

ソフトバンクに続き、NTTドコモKDDIの2社も月内に詳細を公表し、今春、サービスを始める見通しだ。4月に携帯通信に参入する楽天も6月の開始を予定する。米韓が19年4月にスマートフォン向けサービスを始め、導入国は世界ですでに30カ国を超える。

5Gでは大容量の情報を高速で伝達できる。ソフトバンクは複数の視点でスポーツ観戦できる動画を配信したり、クラウド技術を使った大容量のゲームを配信したりする。娯楽から始め、遠隔医療や教育分野での動画配信に広げていく。工場支援など企業向けサービスも始めるという。

5G対応のスマホ利用者は、現行の4G料金に1千円(税別)を追加で支払えば5Gサービスを使える。20年8月末までに加入すれば追加料金は2年間無料。4G契約者は事実上、2年間は無料で5Gを使える。

低料金なのは当面、展開地域が狭いからでもある。サービス開始直後は、5Gの展開地域は東京都と千葉県、大阪府、石川県、愛知県、広島県、福岡県の一部に限られる。東京でも東京駅などのターミナル駅周辺などだ。基地局が足りないのは競合他社も同じで「スモールスタートになる」とNTTドコモの吉沢和弘社長は話す。

通信の技術的な課題もある。5G向け電波の一部はそもそも遠くまで飛びにくい。4G向け電波が基地局から半径数キロメートル程度を飛ぶのに対し、5G向けの一部の電波は数百メートルしか飛ばない。さらに日本では国から割り当てられている周波数帯の5G電波が衛星放送の電波と干渉するため、周波数をフル活用できないという問題もある。

ソフトバンクは、国内人口の9割が5Gを使えるようになる時期は21年内とする。総務省は20年夏にも、既存の4G電波を5G向けに転用できるよう制度を変える見通しだ。既存の電波を使えるようになれば、技術的課題が残っても一気に既存基地局を使ってエリアを拡大できる。例えばソフトバンクは国内に23万の既存基地局を持つ。

携帯電話の業界団体である英GSMAによると、19年12月末時点の世界の5G契約数は1300万件だった。携帯電話の契約件数全体の0.16%で、1割を超えるのは24年だと予測する。企業はインフラ整備とともに自社サービスの収益化を進め、本格普及を促す。

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